レンズって厚いほうが良いの?薄いほうが良いの?どうなんだろう?この違いって何・・・。
カラコンのレンズの厚さと安全性について
●カラコンのレンズには厚さの違いがあるの知ってましたか?いつも同じレンズを付けていると気づかないかもしれませんが、友達のモノと比べてみるとたぶん若干違うはず!その違いは?レンズって薄い方が安全なの?厚い方が安全なの?
カラコンにはメガネと同じように「厚み」の違いがあります。「中心厚」といったワードを聞いたことありませんか?カラコンのパッケージや取り扱い説明書などに記載されています。この中心厚というのがレンズの厚さです。コンタクトやカラコンレンズは周辺部分は薄く、中心部分に厚さの違いがうまれています。中心部分はレンズになっていて、黒目に合わせた程の直径部分です。カラコンのデザインされている部分は主に矯正能力のない部分です。厚さの違いといっても人間の目で見て分かるような単位ではありません。しかし着装してみるとそのわずかな厚さの差でも目は敏感に違いを感じ取り、これがつけ心地の差にもなっています。
カラコンはデザインなしのクリアレンズに比べて厚くなりやすい傾向にあります。これはデザイン部分を挟み込むサンドイッチ製法のカラコンレンズが多いためです。この製法でなくてもクリアレンズにはない、着色部分があるというだけで厚みにダイレクトに影響します。
▲着色部分を挟み込むサンドイッチ製法はレンズが厚くなりやすい。
物理的に考えてレンズが厚いのと薄いのでは当然ながら厚い方が酸素が通りにくいので、目(角膜)に必要な酸素が行き届かなくなります。つまり酸素透過性が悪くなるということ。レンズの厚みは装着感や形の保護に関係がありますが、一番注意する点はこの酸素透過性です。厚みがあっても素材やメーカーの努力で酸素透過率※を良好に保っているレンズもあります。一般に酸素透過率はDK/L80以上あれば良好と判断されます。素材がシリコーンハイドロゲルのレンズが高い数値を出す傾向にあります。
※酸素透過性率とは酸素透過性率=酸素透過性÷レンズの厚み。同じ酸素透過性のレンズでも、レンズが厚くなるほど酸素透過率は下がります。DK/Lは透過率を表す数式でLの部分がレンズの厚みです。数値が高くなるほど酸素をよく通し裸眼に近くなります。80以下は注意。80を超えるのはいいのですが、比例して良好になるかというとそうでもなく後は横ばいになるようです。めちゃくちゃ高くても影響度合は小さいということです。
カラコンのレンズで厚さの違いが生まれる理由
- 近視・遠視度数の違い
- 乱視度数あり・なし
- メーカーの違い
- デザイン
- レンズの素材
- 製法・構造
デザイン部分を挟み込むサンドイッチ製法の場合は厚くなりやすい傾向にあります。カラーコンタクトレンズで度数の入っていないものなどは非常に薄く、近視度数が強くなるほどレンズの中心厚が厚くなります。
厚いレンズの特徴
- 形状の保持力がアップする
- 強い度数
- 酸素透過性が低い
- 破れにくい
- 眼の中で存在を感じやすい
カラコンの場合は厚くなりやすい。矯正度数が高い場合は厚くなるのもしかたないですね。しかし、破れにくいなどのメリットもあるので取扱いに関しては楽かもしれません。
薄いレンズの特徴
- 度数無しが一番薄い
- 軽いのでゴロゴロしにくい
- 一般につけ心地はよいとされる
- 酸素透過性は高い
- レンズが裏返しになりやすい
- 薄すぎると取り扱いに手間取る
薄いと簡単にひっくり返ってしまうので、裏返しになった状態で気づかないまま付けないように注意が必要ですね
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カラコンレンズの厚さの違い まとめ
レンズの厚さがカラコンユーザーの安全度に影響を与えるのは、酸素透過率の違いとつけ心地です。
つけ心地に関しては個人差があったり好みもあるのでどちらが良いと一概には言えません。一般的には薄いレンズの方が良いという評価になっています。
酸素透過率はレンズの厚さによって角膜への酸素を供給に大きく影響します。カラコンレンズの安全性で一番危惧されるのはこの点です。酸素透過率が下がると角膜が酸素不足に陥ったり免疫力が落ちたりして眼病につながります。この点に関しては薄いレンズの方が安全度は高くなります。
しかし、度数が強い人は厚くなるのはやむを得ないことなので、各メーカーはちゃんとした矯正力を保ちながらレンズを薄くする技術を日夜開発しています。ここは企業間の競争と技術力が試されるポイントですね。シリコーンハイドロゲルの素材が開発されてからはなお一層熾烈になっています。
もし、酸素透過率の低いレンズを使用する場合は、着用時間を短くするなどの工夫をして眼の健康を守りましょう。