知っているようで知らない、カラコンレンズの酸素透過性と含水率で安全性が違ってくる?実はカラコンレンズの酸素透過性と含水率でつけ心地が変わってくるんです。自分に合ったレンズを選ぶときの大事なポイントにしてください!
レンズの酸素透過性と含水率の関係
酸素は眼(角膜)を健康に保つために不可欠な要素です。酸素を多く通すレンズの方が眼のトラブルは少なくなり安全性は高くなるといえます。酸素透過性で一番わかりやすいレンズは、中心厚の薄いレンズです。酸素が眼に供給されやすくなります。もっと端的にいうと薄くて小さいハードレンズは酸素透過性が高いレンズといえます。しかしカラコンではハードレンズはありません。そのわけは、直径が小さくデザインできないし、デカ目にすることもできないからです。さらに、染色部分の保護もしにくいのでカラコンにハードタイプは不適合です。もしあったとしても、安全性は低いと思います。
一方、レンズのつけ心地に影響するといわれてるレンズの含水率は一般的に高い方が良いとされています。水分を多く含むレンズはどうしても中心厚が厚くなります。つまり酸素透過性を上げるには、レンズの薄さと含水率のバランスが大事になってきます。今では含水率を低く保った方が酸素透過性が高くなるシリコーンハイドロゲルという素材が開発されています。この素材はこれからのレンズ素材として主流になると思われます。
レンズ酸素透過性の値が低くなるとどうなるのか
レンズの酸素透過性の値が低くなると、眼が呼吸できなくなります。酸欠状態になると角膜の細胞に破滅的な影響を与えます。眼の細胞が減るということは、見え方に影響するということなので視力低下、角膜障害などの病気になることが考えられます。酸素って大事ですね。
眼の酸素供給は、どこで行われているかというと、空気中と涙からです。大部分は眼に接している空気から直接酸素を取り入れていると言われています。他の細胞のように角膜には血管がないため血液を通して酸素と栄養分が運ばれていないんです。つまり、カラコンなどのコンタクトレンズはその眼を直接覆ってしまうので着けているだけで酸素不足になりやすいんです。
どれだけ酸素を通すかを数値化したものがDk値
そのコンタクトレンズがどれだけの酸素を通すかの値(酸素透過係数)はDk値で表します。Dk値が高いほど眼の健康を阻害する値が少ないといえます。レンズの安全性を見るうえでのひとつの指標になります。構造上、酸素多く取り入れられるハードレンズはこの値がソフトレンズよりも高くなります。(カラコンはソフトレンズです)
レンズの含水率が低くなるとどうなるのか
含水率とは?含水率があらわしているのはコンタクトレンズの中にどれだけの水分を含んでいるかということです。ソフトレンズのみに使われる指標です。ハードの場合は水分が含まれていません。そして、より多くの水分を含むレンズを高含水コンタクトレンズ(目安として含水率50%以上)といい、逆に含水率が低いのは低含水コンタクトレンズと呼ばれています。
それぞれのレンズの特徴は?
●高含水レンズ : 潤い感がありつけ心地が良い、柔らかく、酸素透過性が高い、乾きに弱い
●低含水レンズ : つけ心地が硬い、形状が安定しやすく耐久性が高い、乾きや汚れに強い
※上記は一般的な特徴です。レンズの素材や大きさによって感じ方は変わってきます。さらに感じ方には個人差もあります。高含水レンズが乾きに弱いのは、その高含水率を維持するために多くの水分を必要とするからです。一度乾いてしまうと涙の水分を多く吸収してしまいます。高含水のレンズを装用するときはコンタクト専用の目薬を1日に定期的にさすことをおすすめします。
含水率は、その高低で酸素透過性やレンズの柔らかさ、つけ心地に影響を与えていることが分かります。
新素材シリコーンハイドロゲルレンズ
高含水率のレンズが酸素透過性が高くつけ心地が良いとされていますが、これは「水が一番、酸素を通す」という前提からです。
含水率の概念を覆す新素材シリコーンハイドロゲルレンズの登場!
普通の素材は、使用後レンズを外してそのままにしておくと、パリパリになってしまいますが、シリコーンハイドロゲルと呼ばれる素材では、目からレンズを外して放置しておいても、普通の素材のように硬くならないソフトレンズの欠点を補う画期的な新素材です。シリコーンハイドロゲルレンズの場合は、水よりも酸素透過性が高いので、シリコンハイドロゲルの割合を高めた方が酸素透過性が良くなります。つまり、新素材の場合は低含水率のほうが酸素透過性が高くなるということです。
まとめ